最近なるべく早く就寝するように心がけているので、この時間(PM11時前)になると、眠くなる。
歳をとっても学習能力は働くものだ。
いつもならすぐに布団にもぐりこむところだが、今日は、そうはいかない。
なぜなら、今夜は「オーラの泉」の放送日。
これは絶対見逃せない。
私は家族の中では「エハラー」と呼ばれている。
家族以外に、私がエハラーであることを知る者は、スパレさんと従姉妹ぐらいだろうか?
(従姉妹もかなりのエハラー。私と従姉妹は二卵性腹違い双生児!)
私がスピリチュアルに興味をもつようになった要因は、ふるさとにある。
私は緑に埋もれた大自然(つまり山奥)で育った。
幼い頃から自然の力を目の当たりにして育ち、
「大自然に比べると、人間の存在なんて小さいものだ」と、妙に冷めた子供だったような気がする。
そんな山奥での小さな体験を一つ紹介しよう。
冷めた子供になるちょっと前の出来事。
まだ幼児の頃だと思う。
私の実家の母屋は山の麓に建ち、母屋の前は田や畑が広がる。
そして母屋の後ろには坂を少し登ったところに、離れがあった。
その離れには祖父母が生活をしていた。
私は祖父母が大好きだったので、毎日その離れで過ごしていた。
夕方になるといつも父が坂の下から、私を呼ぶ。
暗くなる前にお風呂に入り、夕食をとる必要があるからだ。
その日もいつものように父が私を呼んだ。
私は離れから坂の上まで出て行き、坂を下って母屋に帰ろうとしたとき、なぜだか後ろにある山が気になった。
何気なくふっと山のほうを振り向くと、山の中腹にある大きな岩に目がいった。
その岩に、顔があった。
顔と言っても、人の顔ではなく、鉛筆で書いた「へのへのもへじ」のような顔。
しかも、岩盤いっぱいに大きい大きい顔・・・・。
そして、その顔は私を見て微笑んでいるのだ。
私は怖くて足がすくみ、坂を下ることが出来ない。
そんな私を父が「早く」と呼び続けるので、私は山の顔を指差し
「怖い!」と父に教えた。
父には何にも見えないらしい。
でも岩盤の大きい顔は私のほうを見てニコニコ微笑み続けている。
「あそこに顔がある!」と山の中腹の岩盤を指差して、父に向かって叫んだ。
父はしばらく山の方を見て考えていたが、突然両手を自分の口の両脇に当てて、
「こらーーーー!!」と大声で岩盤に向かって叫んだ。
そうすれば私が落ち着くだろうと考えたのだろう。
すると、さっきまでニコニコ笑っていた山の顔が、泣き顔に変わった。
眉毛が下がり、目からぽろぽろと大粒の涙が落ちていく。
本当に鉛筆で書いたような雫のような涙が・・・、次から次へと・・・・。
そして、すーっと消えていった。
私はそれを確認してから、父のいるところまで一気に坂を駆け下りた。
それだけ。
あの顔はなんだったんだろうと、今でも鮮明に思い出す。
今ではあの岩盤は生い茂った木に隠れてしまった。
あ、オーラの泉が始まった!