2007年1月31日水曜日

不思議な体験 その1

最近なるべく早く就寝するように心がけているので、この時間(PM11時前)になると、眠くなる。
歳をとっても学習能力は働くものだ。

いつもならすぐに布団にもぐりこむところだが、今日は、そうはいかない。
なぜなら、今夜は「オーラの泉」の放送日。
これは絶対見逃せない。

私は家族の中では「エハラー」と呼ばれている。
家族以外に、私がエハラーであることを知る者は、スパレさんと従姉妹ぐらいだろうか?
(従姉妹もかなりのエハラー。私と従姉妹は二卵性腹違い双生児!)

私がスピリチュアルに興味をもつようになった要因は、ふるさとにある。
私は緑に埋もれた大自然(つまり山奥)で育った。
幼い頃から自然の力を目の当たりにして育ち、
「大自然に比べると、人間の存在なんて小さいものだ」と、妙に冷めた子供だったような気がする。

そんな山奥での小さな体験を一つ紹介しよう。
冷めた子供になるちょっと前の出来事。
まだ幼児の頃だと思う。

私の実家の母屋は山の麓に建ち、母屋の前は田や畑が広がる。
そして母屋の後ろには坂を少し登ったところに、離れがあった。
その離れには祖父母が生活をしていた。

私は祖父母が大好きだったので、毎日その離れで過ごしていた。

夕方になるといつも父が坂の下から、私を呼ぶ。
暗くなる前にお風呂に入り、夕食をとる必要があるからだ。

その日もいつものように父が私を呼んだ。

私は離れから坂の上まで出て行き、坂を下って母屋に帰ろうとしたとき、なぜだか後ろにある山が気になった。

何気なくふっと山のほうを振り向くと、山の中腹にある大きな岩に目がいった。

その岩に、顔があった。
顔と言っても、人の顔ではなく、鉛筆で書いた「へのへのもへじ」のような顔。
しかも、岩盤いっぱいに大きい大きい顔・・・・。
そして、その顔は私を見て微笑んでいるのだ。

私は怖くて足がすくみ、坂を下ることが出来ない。

そんな私を父が「早く」と呼び続けるので、私は山の顔を指差し
「怖い!」と父に教えた。

父には何にも見えないらしい。
でも岩盤の大きい顔は私のほうを見てニコニコ微笑み続けている。

「あそこに顔がある!」と山の中腹の岩盤を指差して、父に向かって叫んだ。

父はしばらく山の方を見て考えていたが、突然両手を自分の口の両脇に当てて、
「こらーーーー!!」と大声で岩盤に向かって叫んだ。
そうすれば私が落ち着くだろうと考えたのだろう。

すると、さっきまでニコニコ笑っていた山の顔が、泣き顔に変わった。

眉毛が下がり、目からぽろぽろと大粒の涙が落ちていく。
本当に鉛筆で書いたような雫のような涙が・・・、次から次へと・・・・。

そして、すーっと消えていった。

私はそれを確認してから、父のいるところまで一気に坂を駆け下りた。

それだけ。

あの顔はなんだったんだろうと、今でも鮮明に思い出す。

今ではあの岩盤は生い茂った木に隠れてしまった。

あ、オーラの泉が始まった!